描きあがった作品をしまう環境によってその後の作品の保存状態が変わります。完璧に保存に適した環境というのは中々揃わないものですが、下記の項目にできるだけ気を付けるようにします。
作品保存で気を付けること
- 画面同士はくっつけない
- アクリル画は画面同士が触れると張り付いてしまうことがあります。間に保護紙などを挟むことで防ぐことができます。
- 高温多湿を避ける。
- 平高温多湿はカビの原因になります。紫外線による絵の具や紙の劣化防止にもなるため暗いところ(押し入れやクローゼットなどの物置スペース)を選んで入れがちですが、こういった場所は通気性が悪く湿気が逃げないことが多いためあまりおすすめされません。
- 紫外線を避ける。
- できる限り直射日光が当たらない場所を選んで飾ることや保管することが大切です。アクリル絵の具は顔料によってそれぞれ耐光性のレベルがあり、特に蛍光色などは耐光性がないことが多いです。
一時的な作品ではなく長期保存される作品において耐光性のない絵の具を使うことはおすすめされません。 - 絵の具の耐光性の表記についてはチューブなどに記載されていることがあります。記載については「アクリル絵の具に使われる表記一覧」で説明しています。
UVカットのワニスやアクリル板のついた額を使うのも手です。ただしアクリル板は画面と接すると張り付いて取れなくなってしまうため、触れ合った状態で保管しないよう注意します。 - 保管場所に通気性をもたせる
- 家具などを壁に密着させると通気性が悪くなりカビが生えやすくなります。アクリル画もできるかぎり壁と密着させずに通気性を持たせた状態で保存します。
- 埃を避ける
- できるだけ画面に埃が付かないようにします。作品への埃の付着避けはワニスや額装でも対処できます。
- 虫に気を付ける
- 特に紙魚(しみ)や死番虫(しばんむし)などの虫は紙を食べます。保存環境は清潔にし、発見したらすぐに駆除します。
- 定期的に作品の様子を確認する
- 環境に気を使うことや、保護紙や保存箱を使うことは、それさえしていれば放置しても大丈夫というわけではありません。知らない間作品が劣化していた、虫が入り込んでいたなどの被害にあわないためにも、定期的に作品の保存状態に気を使うことをおすすめします。