紙やキャンバスに絵を描く以外に、クラフトのペイントなどにアクリル絵の具を使用することができます。ここでは数例紹介します。
ネイル
ネイルアートの絵や模様を描くのに使われることがあります。混色や粘度、にじみを自分で調整することができるため、細かいペイントなども可能です。
アクリル絵の具を販売しているメーカーとしてはホルベインが「チェルシー」というシリーズでネイルアートのエアブラシに使用に適した絵の具や、細かい描写に適した筆を販売しています。
ネイルアートは別途専用のベースやトップコートなどが必要になります。アクリル絵の具は直接爪に塗る用途には作られていませんので、直接塗らないようにします。
プラバンの色付け
プラバンはパステルやコピックなど、様々なもので色付けすることができます。
プラバンを焼いた後にアクリル絵の具で着色し、その上からコーティング剤などでコーティングします。
レジンの土台
レジンのアクセサリーやブローチで良く使用されるミール皿は金属色ですが、ここにそのまま透明な樹脂を乗せると透けて発色が濁ることがあります。
発色を良くするために皿の底面にジェッソを塗って白い下地を作ってから樹脂を乗せることがあります。
また、ジェッソを塗った上にアクリル絵の具で背景を描くこともできます。
服や靴のステンシル、模様
布用メディウム(ファブリックメディウム、テキスタイルメディウム)を絵の具に混ぜることで、絵具の耐水性と布に対する接着強度を高めることができます。
スニーカーや洗濯する服、トートバックなど、身近な布製品に描いて楽しむことができます。
メーカーによっては絵の具が乾燥した後アイロンを当てなければならないものもあるため、使用方法をよく読みます。
薄い布の場合絵の具が裏に染み出すことがあるので適宜当て布などをします。下地については「その他支持体ごとの下地の作り方」でも説明しています。
日用品に使用した場合の注意点
アクリル絵の具はその耐水性や耐候性から、様々なDIYで使われています。
できる限り安全な製品開発を心掛けているメーカーが多いことや、最近の絵の具は有毒性のある顔料や材料を使ったものが減っていることから、メーカーが示している方法で使用すればほぼ問題は起こりません。
ただし、いくら安全性が増しているとはいえ体内に絵の具などの異物を入れることは推奨されません。
直接口を付けるようなものには塗らない、なんでも口に入れてしまう小さなお子さんがいる場合はお子さんが触れる可能性のあるものに塗らないなど注意します。また乾燥後は耐水性があるとはいえ、平滑なものに塗った場合はポロポロと剥がれ落ちることがあります。
水道回りの平滑なものに塗っていたら、剥がれた絵の具がコップに入り込んでしまうことも考えられます。(平滑なものから剥がれ落ちる問題自体はヤスリやプライマー、ニスなどで防げる場合もあります。材質と使用目的と使用場所によります。)
適材適所、正しく扱うことが重要です。
絵の具の毒性やその表記については「毒性について」で詳しく説明しています。