木材や金属、プラスチックなど 紙とキャンバス以外の支持体
紙とキャンバス以外の支持体
ここでは紙やキャンバス以外のアクリル絵の具で描くことのできる支持体の一部を紹介します。
各支持体の下地の作り方については「その他支持体ごとの下地の作り方」で紹介しています。
発泡スチロール・押出法ポリスチレンフォーム
アクリル絵の具は通常の発泡スチロール(EPS:Expanded PolyStyrene=ビーズ法ポリスチレンフォーム)や、立体制作でよく使用される素材の押出法ポリスチレンフォーム(XPS:Extruded Polystyrene)にも使用することができます。
押出法ポリスチレンフォームは一般的な発泡スチロール(ビーズ法ポリスチレンフォーム)と原料を同じとするもので、発泡スチロールより細かい削り出しが可能な断熱材・保温材です。ダウ化工株式会社の製品「スタイロフォーム」が有名です。
立体物を作る際、発泡スチロールよりも押出法ポリスチレンフォームの方がヤスリなどの表面の処理がしやすいため、表面が滑らかな立体を作りたい場合は押出法ポリスチレンフォームの方がおすすめです。
絵の具のノリを良くする目的や、表面の凹凸を埋める目的でジェッソなどの下地を施してから絵の具を塗ることが多いです。
木材
ホームセンターで購入したものでも自然環境で拾った枝でも着色はできます。自然から採取してきた物は虫に注意します。
木材はアクが出ることが懸念されるため、もし長い間保存させるような作品を作りたいのならば、汚れを落としてアク止めをする必要があります。
布
手芸屋で布を買って描くのでもいいですし、洋服や靴に描くこともできます。
ただし洋服は洗濯で水に濡れたり擦れたりすること、靴も雨に濡れる可能性があることから、耐水性や耐候性を高めるためにファブリックメディウム(テキスタイルメディウム)を使うことをおすすめします。
メーカーによっては絵の具が乾燥した後アイロンを当てなければならないものもあるため、使用方法をよく読んでから使用します。
プラスチック
平滑なため、水彩風の様に水が多いと描きづらくタッチが限られますが、プラ板の雑貨の着色に使うことができることや、アクリル板など透明な板に描いたものを壁に飾ると、描いた形の影が生じるのが面白いです。
金属
銅板やアルミ、ステンレスなどの金属にも描くことができます。支持体の金属の反射や色を生かしても面白いかもしれません。プライマーを施すことで描きやすくします。
鉄などは絵具の水分で錆が出るため注意します。
石
川などで石を拾ってきて使います。石を削っても良いですが、石の形を生かして描くのも手です。描き始める前に良く洗って泥を落として使用します。
ガラス
通常は塗っても剥落してしまいますが、プライマーを使えば花瓶や風鈴などに、自分で好きな絵を描くことができます。
コップの淵など口に付いたり体内に取り込んでしまう危険性があるような場所には絵の具やプライマーを塗らないようにします。