有毒な絵の具の見分け方
各絵の具メーカーは可能な限り安全な商品を目指し製品を開発しているものですが、それでも有害な物質を含む絵具もあります。
私たちはどうやってそれを知ればよいのでしょうか。
絵の具の入った容器を見てみる
絵の具の入った容器を見ていると、「AP」「CP」「CL」「×」などのマークが書いてあります。これが、絵の具の有害性、無害性の度合いを表す表記です。
大前提として、マークの種類、有無にかかわらず、絵の具の容器に書かれている注意書きをよく読み、使用方法を守ることが大切です。
人にとって異物である以上、体内に入れるなど使用用途以外の行動は絶対にすべきではありません。小さなお子さんが絵の具を使う場合には目を離さないことが重要です。小さなお子さんには、APマークが表記されている、「×」マークがついていない商品など、安全性を確認してから使わせるようにしましょう。
CLマークや有害性が表記された製品は、お子さんやペットの手が届くところに置かないなど、保管場所にも気を付けましょう。誤飲のトラブルは少なくありません。大人が使う場合でもCLマークや有害性などが表記された製品は容器の注意書きをよく読み、換気をし、安全な場所で適切に使用してください。
また、安全性についてのマークの記載のないものでも、有害な物質や注意書きの記載が無いかに気を付けます。同じメーカー、同じシリーズでも、絵の具によって有害性があるもの(カドミウムなど)、ないものが混在していることもあります。
商品を開けて使う前に必ず容器の警告文、注意文を読んでください。米国美術材料協会(ACMI)はCLマークの付いた商品はお子さんや、肉体的、精神的にハンディキャップのある人、警告文、注意文を知ることができない人には扱わせないようにと警告しています。
表記一覧
有害性を示すマーク
CL(Cautionary Labeling=警告ラベル)
発行元の米国美術材料協会(ACMI= Art and Creative Materials Institute, Inc.)が発行している、 「有害性のある材料を使用しているが、警告文、注意文を読み、正しく取り扱いをすれば危険でない」とされるものにつけられるマークです。
商品を開けて使う前に必ず容器の警告文、注意文を読んでください。
米国美術材料協会(ACMI)はCLマークの付いた商品はお子さんや、肉体的、精神的にハンディキャップのある人、警告文、注意文を知ることができない人には扱わせないようにと警告しています。
×マーク
有害性を示すマークです。マーク下部に「有害性あり」の表記があることもあります。
こちらも使用前にCLマークと同じく警告文、注意文をしっかりと読んでください。アクリル絵の具の黒などでこのマークが使われているものもあるので、しっかりと絵の具の容器を確認することが重要です。
安全性を示すマーク
「AP(Approved Product=承認された製品)」マークは、米国美術材料協会(ACMI)に定められた安全基準を満たし、認証を受けた安全性を示すマークです。
急性あるいは慢性の健康障害を起こす危険性の低いものにつけられます。米国美術材料協会(ACMI)は、子供や肉体的、精神的にハンディキャップのある人、警告文、注意文を知ることができない人はこのAPマークの付いた絵の具を使うよう進言しています。
CP(Certified Product=保障された製品)
画材の安全性と、品質が米国国家規格協会(ANSI=American National Standards Institute)の基準を満たすものとして米国美術材料協会(ACMI)から認証を受けたものにつけられるマークです。
この他にも、アクリル絵の具では見かけることは少ないですが、可燃性を示す炎マークやドクロマークなどイラストでわかりやすく毒性や危険性を表している製品も存在します。
参考元
- The Art and Creative Materials Institute, Inc. (ACMI)「Art Material Safety/Safety Tips-What You Need To Know」
- https://acmiart.org/index.php/art-material-safety/safety-tips-what-you-need-to-know
- 最新アクセス日:2017年10月18日