テクスチャやマチエールを作る際、特にこれをしなければいけない、これを使わなければいけないなどの制約はありません。ざらざらや凸凹があるのもマチエールならば、作られた平滑なつるつるした画面もマチエールです。特にアクリル絵の具は支持体の材質の幅が広いためマチエール作りの自由度が高いです。
マチエール作りによく使用されるのはモデリングペーストやジェッソなどの下地剤や盛り上げ剤、メディウムと混ぜた貝殻や砂や石、メディウムやボンドで貼り付けた紙や布などです。
ジェッソやモデリングペースト等については「下地を作る」の記事や「メディウム」でも詳しく説明しています。貝殻や砂は作品の保存性を高めるためにマチエール用として売られているものの使用をおすすめします。
下地を作るときの定番の道具はペインティングナイフです。筆と違い筆跡が残らず、粘りに負けないためモデリングペースト等のメディウム類を漆喰の様に塗ることや盛り上げることが可能です。また乾かないうちにひっかくことで簡単な溝を作ることもできます。
ペインティングナイフについては「ペインティングナイフ・シリコンべら・シリコン筆」で詳しく説明しています。
マチエールやテクスチャは描画作業に大きな影響を及ぼすため、ある程度の計画性が求められます。
だし、予想と違ったマチエールやテクスチャができても、それがかえって自分の理想としていたものより良い出来であったり、面白い効果を生み出すこともあります。
偶然性を楽しむのも絵を描く上での一種の醍醐味だったりしますので、折角自由度の高いアクリル絵の具を使うなら萎縮せずに様々なことにチャレンジするのもありかと思います。